カリブ海のセントルシアからの緊急の訴えです!

   

~セントルシアの視覚障害者の自立のために~

こんにちは。
セントルシアの綱川です。 お元気ですか。
セントルシアは、カリブの太陽がいっぱいです。
5月はとても暑いです。
マンゴがいっぱいの季節になりました。
朝早く、私の妻が大きなマンゴが三つ、近くの道に落ちているのを見つけました。
さて、今回は、セントルシアで、指圧師を育てるボランティア活動について興味関心がある方をご存じでしたら、知らせていただきたいと思い、メールしました。
JICA海外協力隊春募集、鍼灸マッサージ師の募集情報です。

https://www.jocv-info.jica.go.jp/jv/index.php?m=Info&yID=JL25724A17

要請番号(JL25724A17)
どうぞよろしくお願いします。 綱川 章

 

セントルシアでの活動の紹介

(ロータス通信306号より)

≪カリブで初めての指圧師≫

黒岩春地(元JICAシニアボランティア) 
7月5日、カリブ海に浮かぶ小さな島国セントルシアで、小さな卒業式がありました。
3人の視覚障害者が、セントルシア視覚障害者協会の指圧コース(1年間)を卒業。
セントルシアで初めての指圧師が誕生しました。もちろんカリブ諸国で初めての指圧師です。
今日は皆さんに、この3人の卒業生を紹介したいと思います。

まず成績トップで卒業生代表挨拶をしたEttaさん。
彼女は練習を人一倍積み、指圧が一番上手になりました。指圧練習の時にはコツをそっと相手に教えてあげる優しい方です。
二人目は、バスで1時間半かかる奥地から、一人で通い続けたGubbyさん。
彼女は無遅刻無欠勤で、一番遠いところから来ているのに、いつも一番最初に来ていたそうです。
ピアノを教えていたというGubbyさん。笑顔が印象的な方です。
最後に、唯一の男性で、子どもと歌が大好きなEddieさん。
5か月前にお父さんを亡くされ、何度か欠席もあったというEddieさん。大柄で、陽気で遠くからでもすぐわかります。
3人のご家族も、卒業式に出席されておられました。本当に嬉しそうでした。
私は、夢に向かって決して諦めようとしなかった彼らの思いを、心から尊敬します。

この3人の方を指導されたのが、綱川先生(JICAボランティア:鍼きゅうマッサージ 全盲)夫妻です。私が指圧センター構想をまとめてから、綱川先生を含め4人のJICAボランティアが、この構想を引き継いできました。
コロナ禍の2年半の間も、何とか計画は生き続け、ついに7年ぶりに、指圧師の誕生となりました。
私は壇上で、来賓代表のスピーチをしながら、7年前、セントルシアにきて何もできなかったこと、視覚障害者協会が閉鎖の危機にあったこと、やることがなくなりニカラグアに渡ったこと、ニカラグア東洋医学大学で指圧コースについていろいろ教えてもらったこと、そこで教えられた綱川先生との出会い、資金集めを応援してくれた協力隊の仲間たちのことなど、次から次に思い出していました。

今回の卒業式は、わずか3人の卒業生という意味では小さな一歩かもしれませんが、後々セントルシアにとって、カリブ諸国にとって、これは大きな一歩になると私は思っています。
スピーチの最後に、「これからの夢は、寄宿舎を備えた指圧研修センターをここセントルシアに建設すること、そしてカリブ諸国全体から視覚障害者の方が留学してきて学べるようにすることです」と言った時、どこからか小さな拍手が起こり、それがさざ波のように会場に広がっていき、思わず言葉に詰まりました。
卒業式では、カリブノートを買ってもらって貯めた2000USD(米ドル)の寄付をすることもできました。
これまでノートを買って応援していただいた皆さん、本当にありがとうございました。
卒業式の翌日には、協会の近くのセレニティ公園で、指圧のデモンストレーションを行いました。
初めてのことでおっかなびっくり参加した人たちも、「リラックスできた」となかなか好評でした。

8月中旬からは、いよいよ3人の卒業生が有料でサービスを始めます。
お客さんが来てくれるといいなあと祈りつつ、まあ最初からは無理、焦らず、少しずつ、と自分に言い聞かせています。
今は、卒業した3人は、引き続き、症状別の指圧法を学んでいます。9月からは第2期生として、新たに6人の新入生が入ってくるそうです。カリブの夢が、少しずつ動き始めました。

夢を描いてから7年。これまで相談に乗ってもらったり、カリブノートを買って応援いただいた皆さん、本当にありがとうございました。
卒業式のスピーチの中で、「日本の人たちも皆さんを応援していることを忘れないでほしい」と付け加えました。
地球を挟んで日本の反対側で、今日もがんばっているセントルシアの視覚障害者の皆さんへ日本からも声援を送っていただけるとありがたいです。

※カリブノート:セントルシア視覚障害者協会で子どもたちと作ったノートブック。 協会の資金難克服と指圧研修センター構想支援を目的に販売しています。 セントルシアはカリブ海に浮かぶ小さな島国。人口18万人。うち全盲の方が2000人いると言われています。

 



社会福祉法人 国際視覚障害者援護協会(IAVI):https://iavi.jp/

〒174-0052 東京都板橋区蓮沼町20-18

電車でお越しの方:
都営地下鉄三田線「本蓮沼」駅下車
「A1」出口を右に出て一つ目の信号を右に曲がり、右手3軒目。徒歩3分。

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