NO.245

      2024/02/27

2011-8-5発行

残暑お見舞い申し上げます

理事長 石渡 博明

未曽有の大惨事、東日本大震災からはや5ヶ月を迎えますが、被災地の復興はもとより、福島原発事故は未だ終束のめどさえたたず、放射能はいまだに地球を汚染し続けています。

そうした中、本誌前々号で呼びかけさせていただきました被災された視覚障害者・視覚障害者関係施設への義捐金には、急な呼びかけにもかかわらず多くの方々から賛同が寄せられ、最終的に68万3000円に上りました。改めて御礼申し上げます。
日本盲人社会福祉施設協議会に寄せられた義捐金は援護協会からのものも含めて総額457万円余に上り、6月23・24日の両日、静岡市で行なわれた第59回全国盲人福祉施設大会の場で、宮城県をはじめとする6県の11視覚障害者関係施設へ贈呈されました(幸い関係施設では概ね被害は少なく、亡くなった方や大きな怪我をされた方もいらっしゃらなかったとのことです)。

つらいニュースの一方で明るいニュースもありました。
7月16日、これまで桜井政太郎先生がご自宅で主宰され、ご高齢とお身体の不調でこの間休館されていた「視覚障がい者のための手でみる博物館」が盛岡市東中野に移転、川又正人様ご一家のお志しで装いも新たに再オープンしました。
7月7日、スーダンの元留学生モハメッドさんが『朝日新聞』に取り上げられ、7月14日には埼玉県立特別支援学校塙保己一学園のベトナムのニャさんがNHKTV「いっと6けん」で放映され、8月7日には、ケニヤの元留学生フィリゴナさんがNHKBS1の「地球のアゴラ」に出演したりと、援護協会留学生の活躍、話題が目を引きます。

また、8月26日(金)には、前号でご案内させていただきました座・スーパーマーケットの企画で「亀淵友香&VOJA」の皆さんによる援護協会支援ゴスペルコンサートが開かれます。留学生支援へ向けて、皆様、お誘いあわせの上、ぜひお出でください。

 3・11以降ということがよく言われるこの頃ですが、これからは脱原発や節電だけではなく、経済一辺倒ではない社会の在り方、人々のライフスタイルや生き方そのものの変革が求められていると言ってもいいでしょう。


<平成22年度事業報告>(22年4月1日?23年3月31日)


1.視覚障害者の更生相談事業
(1)外国籍視覚障害者に関する障害基礎年金、福祉施策等。
(2)海外からの視覚障害者の日本留学。
(3)視覚障害者の国際交流。
(4)海外視覚障害者の日本語学習。
(5)各国の視覚障害者事情についての情報提供。
(6)海外の視覚障害者関連施設との連絡。

2.支援事業
(1)留学生の受け入れ
○応募学生は5ヶ国6名。本人及び関係者の情報を総合して留学に関する意思確認と日本語習得度をチェックし、7月6日の留学生指導委員会において状況を報告、以下の2名をIAVI奨学生に推薦し承認を得た。
?ベトナムのグエン・ティ・スイェン(29歳/女性)来日:10月1日 
?モンゴルのツェグミド・ツェンドスレン(34歳/女性) 同  2日 
○入国した2名の留学希望生に対し、「外国人学生(視覚障害者)の盲学校入学前予備教育支援事業」として舟橋記念会館にて日本語及び日本語点字の指導、日常生活訓練、歩行訓練等を行なった。
○留学希望生に外国人登録証の申請・ビザの更新等の手続き介助、及び筑波大学附属視覚特別支援学校・神奈川県立平塚盲学校で教育相談・面接・受験等、合格後には入学・入寮等の手続き介助を行った。
(2)在学中留学生の支援
○各盲学校寄宿舎閉舎時に留学生の宿泊を受け入れた。
○留学生の一時帰国や進路相談に伴う諸手続きの介助を行った。
(3)視覚障害者の国際交流
○ミャンマー、ベトナム、モンゴルなどの視覚障害者関係施設を訪問するともに、タイ盲人協会等の訪問を受け、情報交換を行なった。
○新年度留学生の歓迎会をはじめ、恒例の板橋区在住外国人日本語スピーチ大会やおたがいさまネットワークの月例会等々、各種催しに参加、地域の視覚障害者団体やボランティア団体との交流を進めた。

3.会館の運営
○留学生の帰省、交流、研修の場として舟橋記念会館を運営した。

4.点字図書・テープ図書、CD図書の製作・相談
○点字の通信教育、外国語点字に関する相談と情報提供を行なった。
○視覚障害者のためのIT講習会・地デジ講習会等を開催した。
○卒後鍼灸手技研究会の委託により事務局として年6回の研究会を開催、会員にDVDやビデオを発送した。
○点字毎日の委託によりオンキョー点字作文コンクール事務局として、
募集、選考、入選作の翻訳等を行なった。

5.広報活動
○日本の視覚障害者に対する情報提供等
維持会員、及び協会支援者に対して協会の活動状況や留学生の現状を報告し、理解と協力を得るための情報誌『ロータス通信』を第239号から第242号まで年4回、編集・発行した。
○高橋理事の斡旋でロゴス点字図書館発行の会報「あけのほし」に石渡が協会の紹介記事を寄稿、また地域の要請により板橋第7小学校で山口が、大原社会教育館で石渡が協会事業紹介の講演を行なった。また座・スーパーマーケット代表、田村啓子さんの斡旋で石渡が葛飾FMに出演、協会事業の紹介を行なうとともに、年末には留学生3名が出演して各人の思いを語り、協会事業の意義を伝えた。
○澤田理絵さんの協力により武蔵野公会堂で「アジアからの視覚障害留学生支援―澤田理絵ソプラノコンサート」を開催した。

6.他団体との交流、表彰等
○ジャパンハート(ミャンマー)、民族フォーラム(ベトナム)、筑波大学附属視覚特別支援学校(インド)、日本財団(東南アジア全般)の訪問を受け、各国の盲人事情、支援等について情報交換・意見交換を行った。 ○理事のお一人でロゴス点字図書館館長の高橋秀治さんが、第28回鳥居賞(京都ライトハウス)を受賞された。
○浜松のNPO法人六星(代表・斯波千秋氏)の推薦により、援護協会が社会貢献支援財団の表彰を受けた。

7.補装具及び日常生活用具斡旋販売・修理
○補装具と日常生活用具の取得手続きを留学生に行った。

8.財産管理・備品整備
○備品整備の一環として点字プリンタの保守・点検を行った。

9.収益事業
○駐車場の運営 4輪車4台、2輪車3台の契約を継続した。 以上

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★会員の皆様へありがとうのページ★

 22年度も、大変お世話になりました! 家計や経費を削って、IAVIの運営の為ご寄付いただきました。職員一同、心より感謝申し上げます。 
感謝に添えて、22年度にご寄付下さった皆様のお名前を五十音順で掲載させていただきます。なお、紙面の関係で敬称を省略させていただきましたことをお詫び申しあげます。

(あ行)阿久津啓司、浅野悦子、浅野紀美江、浅野澄子、浅見清、麻生正、安達雅子、株)アメディア、新井愛一郎、新井協子、有賀実男、有光勲、アルタン・ツェツェグ、飯村洋子、葉華、池上賀津子、井桁早苗、池田俊二、井崎邦為、石井晃、石井薫、石川菊江、石栗徳子、石塚洋子、石渡俊幸、石渡博明、磯公美子、伊藤真一郎、伊藤忠一、
井上一夫、猪平真理、今井鍵三、今枝和子、岩崎正、岩瀬信子、岩瀬弘、岩村恵子、岩本光博、岩屋芳夫、上島博子、上野多美子、卯嶋義司郎、内田幸代、梅澤勇、梅原祥子、宇和野康弘、榎本久美江、援助修道会、遠藤文朗、大井好美、大木輝子、大越伊津子、大崎百合子、太田織枝、大谷吉弘、大谷隆一、岡野三郎、岡本恵美子、小川保、財)沖縄人材、奥村雄輔、小栗三江子、小澤靖子、鬼塚千恵子、小野史江、小野平八郎(か行)香川紀子、垣内容子、片岡忠、片寄健司、加藤郁雄、加藤純、加藤房子、兼子光枝、金子洋子、兼目忍、狩野敦子、紙谷一枝、河合直子、川口裕子、河瀬修一、川副紀美子、河野徹、川村恵子、
河本昭三、神原武志、菊島和子、菊地竹男、菊地みつえ、岸栄子、北島裕代、鬼塚洋子、木村愛子、木村明子、木村陽子、清野陽子、清原順子、工藤幸雄、窪田進、小池セツ子、幸野尚子、古賀副武、小林孝信、小林良子、小松勢津子、五味哲也
(さ行)才田覚、齋藤彦治、齋藤彦泊、坂本啓子、桜井和子、桜井政太郎、迫玲子、佐々木誠子、佐藤相子、佐藤幸子、佐藤義一、沢公子、塩浦緋佐子、重野幸子、品田光彦、篠崎八恵子、渋谷尚子、島田金幸、島田治夫、清水佳子、下島敏男、白井康晴、神吉勝仁、
新谷節子、進藤いつ子、須賀孝子、杉浦和朗、杉田司郎、鈴木彩、
鈴木弘、鈴木弘美、鈴木美枝子、鈴木義則、須藤直義、須永和代、
須之内桂子、須原ひとみ、徂来徳子
(た行)高木宏、高野定子、高野博幸、高橋和奈枝、高橋紀代子、
高橋恵子、高橋秀治、高橋博子、高橋祐三、高橋律子、田口寿恵子、
田窪いつ子、竹内恵美子、竹内智美、竹下亘、竹田真澄、田中徹二、
田中正和、田中三佐子、田中吉野、田中亮治、田中渉、田辺邦夫、
谷上アサノ、谷口春子、田原基行、築城巌、津久井正幸、筒井正和、
恒本藍子、角田桂子、土井欣哉、戸倉由紀枝、冨浦修平
(な行)直居鐡、中康次、中尾健二、中澤進、長澤泰代、中島幹、
中西明美、中西江美子、中根香織、中原章雄、中原由香里、中村衛助、中村和子、中村実枝、中村雄一、南雲貞雄、南雲輝子、成田英士、
西澤伸之、西田幹夫、西田美代子、西村文美恵、新田盛嗣、丹羽清雄、沼尻照子、根岸伸樹、野口孝明、野澤泉
(は行)芳賀優子、橋本時夫、蓮池悟志、畑千尋、波多野恵子、
八田暁子、服部真澄、早川久恵、林律、春田泰文、飛田直子、日比深雪、蛭川泰夫、福島昌子、福室黎子、福山博、富士サキ子、藤井亮輔、
藤沢皓子、藤澤八重子、伏見美智子、渕岡吹次、舟橋朋子、北條偕子、星野容子、堀和子、堀賢一、堀洋子、堀越昭彦、本間昭雄
(ま行)正木悟、松浦健三、松田信治、松田俊昭、松本保男、
麻那古恵子、丸山晃、水谷洋子、水野宏子、水上他2名、宮城好子、
三宅和代、三宅真梨子、宮坂都子、宮坂麻里、明星晃、三輪利春、
村上美津子、村瀬良子、村野民子、森寛明
(や行)矢沢静江、矢島多恵子、安岡秀美、安川糸子、安村洋子、
柳下登志夫、矢部健三、山口薫、山添和夫、山田雄春、山本正樹、
山本まり子、横山俊彦、吉川恵士、吉田明泰、吉成宏太、米山衣江
(ら行)ロイ ビッショジト・秀代
(わ行)和田彰、和田絢子、渡辺俊子、渡辺萬里子、渡辺勇喜三


<帰国留学生の今>


元気で頑張っています 
台湾 シェ インチャン

 私は、シェ インチャンです。1986年台北盲学校の高等部を卒業して、1987年3月に来日し、4月、山梨県立盲学校に入り、言葉を勉強するために1年間、高等部普通科で勉強しました。1988年の4月、同校理療科専攻科に入り、3年間あんま・マッサージ・指圧、鍼、灸の勉強をして1991年に卒業しました。同年4月、亀戸の若月治療院に研修として入り、同年11月に帰国しました。
 翌年の2月、母校の台北市立啓明学校のあんま・マッサージの教員になりました。今まで教員生活を20年送りました。私は自身の生活にとても満足しております。
日本で勉強する間、ご支援していただいた皆様方、心から感謝しております。山梨の木村おばあちゃんのご家族、寄宿舎閉舎の時、お世話になりました。学校の先生やクラスメイトも大変お世話になり心から感謝しております。
 最後に先輩として、今日本で勉強している留学生に、どうぞ健康に注意し、一生懸命勉強して将来母国に戻って、同じ障害を持っている人のために一緒にがんばってください。
(編集者:今年高校に入る娘さんと奥様との幸せな家庭生活に支えられ、
充実したお仕事もされているようです。)


◎お知らせ◎
国際視覚障害者援護協会(IAVI)企画:連続講演会  第1期・第2回 

マレーシアの視覚障害者事情
?手は口ほどにものを言う?
講師:笹田三郎 (JICAシニアボランティア)
日時:2011年9月11日(日) 13:30?15:30
場所:国際視覚障害者援護協会「舟橋会館」3F多目的室
   (板橋区蓮沼町20?18
都営地下鉄三田線「本蓮沼」駅A1出口下車 徒歩3分)
定員:30名(定員になり次第締め切ります/お申し込みはお電話または e-mailにてお願いします)
会費:無料
電話:03?5392?4002/ e-mail:h7622icb@iris.ocn.ne.jp
主催:社会福祉法人 国際視覚障害者援護協会
後援:社会福祉法人 板橋区社会福祉協議会
= 編集後記 =
 猛暑の中での節電。皆様、体調にはくれぐれも気をつけてください。
帰国した元留学生の皆さんの近況報告については、継続してご紹介していきます。新しい交流をつくりたいですね。ご期待ください。(新井愛)


= 業務日誌 =

5月31日 22年度決算理事・評議員会。
6月 6日 ホームページ検討会議。
6月13日 年金機構説明会参加。
6月16日 平塚盲学校・はた犬ハウス・援護協会、3者会議。
6月17日 和歌山県立盲学校訪問、イェホァさん・ユナさん面談。
6月18日 トゥイさん面談。4しょく会10周年記念イベント参加。
6月21日 元モンゴル留学生・ガンゾリクさん来館。
6月23・24日 日盲社協第59回大会参加。
6月26日 本年度第3回卒後鍼灸手技研究会。
7月 8日 モハメッドさん、スーダン情勢講演会。
7月14日 NHKTV第1、ニャさんについて放映。
7月15日 台湾の元留学生・謝さん、家族・友人と来館。
7月16日 筑波附属・平塚盲の留学生6名、江の島散策。
7月17日 村瀬先生講演会。留学生選考委員会。
7月23・24日 オンキョー点字作文コンテスト選考委員会出席。
7月28日 シリア大使館次席・ラニアさん来館
8月 7日 フィリゴナさん、NHKBS1「地球アゴラ」に出演 



社会福祉法人 国際視覚障害者援護協会(IAVI):https://iavi.jp/

〒174-0052 東京都板橋区蓮沼町20-18

電車でお越しの方:
都営地下鉄三田線「本蓮沼」駅下車
「A1」出口を右に出て一つ目の信号を右に曲がり、右手3軒目。徒歩3分。

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